2012年12月28日金曜日

大楠公六百年大祭供詠 「湊川神社物語」(『セルポート』2013.1.1)

『セルポート』201311日号(連載通算第431号)
「なんこうさん物語~湊川神社から見た神戸の近現代~(第2部)」第99

大楠公六百年大祭 

大楠公六百年大祭供詠  昭和10年は湊川の合戦から600年の節目の年である。合戦が行われた525日を中心として前後1週間、「大楠公六百年大祭」が大々的に繰り広げられた。

62日、六百年大祭の最終行事として「献詠披講式」が開催された。

午前10時、六百年大祭奉賛会会長の勝田銀次郎市長、総裁の兵庫県知事湯沢三千男らが参殿した。秩父宮妃殿下、高松宮妃殿下等各皇族の詠歌に続いて、全国から供詠された和歌1900首余、漢詩200余篇、祭文1章が披露された。詠題は「橘花薫」である。

奉賛会会長、総裁、藤巻正之神社宮司がそれぞれ供詠した。

兵庫県知事 湯沢三千男(奉賛会総裁従四位勲三等) 
たちはなの はなのかをりのいや高く たふときみよに生くるうれしさ

神戸市長 勝田銀次郎(六百年大祭奉賛会会長勲四等)         

みなと川 のちの世遠くなかれきて 立花はなのかをり久しも

  別格官幣社湊川神社宮司 藤巻正之(正六位)                      
いつあはれ ことしはわきてたちはなの 花の香たかきこゝちこそすれ

神戸新聞は「新緑の楠社に殉忠を讃ふ 大祭最終行事供詠披講式 光栄に輝く預選歌」の見出しで披講式の様子を報道した(63日朝刊)。

  ◆勝田銀次郎市長  「大楠公六百年祭献詠披講式参列記念撮影」(昭和1062日)写真の前列右が勝田市長、中央が湯沢知事、左が藤巻宮司である。               

勝田銀次郎は三大船成金の一人で、神戸市会議長を2度つとめた後、昭和8年に市会から懇願され歴代8人目の神戸市長に就任し、昭和16年まで在任した。

この写真は勝田陽子さん(中央区在住)が提供して下さった。
 

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